職業訓練校について検索してみると「受講したけど、あまり役に立たなかった」とか「途中で挫折して辞めてしまった」とかのネット情報を目にすることがあります。せっかく職業訓練校を受講するのであれば、出来るだけ後悔しないよう選びたいものです。
実際、職業訓練校はいろいろな学校やコースが多数存在するため、どの学校を選べばよいのか、どのコースを選んだらよいのか迷う人も多いと思います。
また、費用や奨学金制度に関する不安や、「実際に学校に通ってみたら自分には合わなかった」という後悔を避けたいという望みもあります。
再就職をする場合、職種にもよりますがスキルを身につけておいたほうが有利になることは確かです。やはり、履歴書や職務経歴書に記載できる資格が何もないと不安になります。
そこで、出来るだけ費用をかけずスキルや資格を身につける方法として「職業訓練校で学ぶ」ことも選択肢の一つです。ハローワークで調べると様々な職業訓練のパンフレットがあります。
しかし、どの職業訓練校を選ぶかによって将来が左右されていまうことがあります。せっかく将来のスキルアップを目指すなら、後悔しないためにもポイントを押さえておきたいものです。そこで今回は、受講した自身の経験からその詳細を解説していきます。
・自分が学びたいスキルや知識に合わせて、複数の職業訓練校をリストアップする。
・各校の研修内容、実績、資格取得支援、施設・設備、受講料を比較する。
・インターネットや口コミなどを活用して、各校の評判を調べる。
・実際に見学に行って、施設・設備の状態や雰囲気を確認する。
・職業訓練校の担当者に、自分に合ったコースや受講スケジュールなどを相談する。
ハローワークを活用した職業訓練校えらび
職業訓練校に受講するためには、まず希望する職業訓練校の選定から始めます。受講前に訓練校の事前説明会がある場合もありますので、積極的に説明会には参加して必要な情報を収集することが大切です。手続きについては、基本的には現在お住まいの「管轄のハローワーク」の窓口で行うことになります。
各職業訓練校によって異なりますが、ハローワークの窓口で入学案内など詳しく案内してくれます。必要な書類や手続き期限などを確認して、必要な手続きを行うことができます。
職業訓練校に入校するには、各都道府県のハローワークにて、募集要項、訓練期間などにより選考試験内容を確認する必要があります。いつでも受けられる訳ではなくまたハローワークを通して必要事項を満たしておく必要があります。
(出典:厚生労働省 ハロートレーニング特設ホームページ)
職業訓練校の種類とは
職業訓練校には、大きくは2つの種類があります。主に「公共職業訓練(失業保険を受給している方)」と「求職支援訓練(失業保険を受給していない方)」に分別されます。また、公立の職業訓練校、企業が運営する訓練校などがあります。それぞれの特徴は、教育内容や費用面などが異なることがあります。
いずれも国からの支援を受けているため、高い教育水準でありながら費用が比較的安いです。訓練校にもよりますが、実践的なカリキュラムが充実しており、就職に強いという特徴があります。公共職業訓練校を選ばれる場合は下記の記事を参考にしてみてください。
職業訓練校のメリット
職業訓練校は、未経験者でも実践的なスキルを身に付けることができる場所です。自己流で学ぶよりも、プロの講師から学ぶことで、より効率的にスキルアップすることができます。また、職業訓練校で学ぶことは、自分自身の能力を高めることにつながる貴重な経験となります。
未経験からでも学べるようなカリキュラムが多く用意されているため、今後のキャリアアップや就職活動において、強い武器となることでしょう。是非、職業訓練校での学びを検討してみてください。
また、同じクラスの仲間たちと協力しながら学ぶこともできます。一緒に課題をこなしたり、プロジェクトを進めたりすることで、自分自身が成長するだけでなく、仲間とのコミュニケーション能力や協調性も身につけることができます。
職業訓練校のデメリット
職業訓練校のデメリットについて紹介します。
①一部の教科書代や、資格取得の為の受験費用がかかること。
②途中で辞めることができないこと。
③訓練校の規則に従うことが必要であること。
などが挙げられます。また、カリキュラムによっては自分のペースで学ぶことができないため、集中力やモチベーションを保つことが大変であることもあります。
しかし、デメリットも克服できる方法があります。費用を抑えるために、各地方自治体によっては、奨学金や就職後に支払う「後払い制度」を活用することができます。
また、途中で辞めることができないことに関しては、入学前にしっかりと考えてから決めることが重要です。訓練校のカリキュラム内容に従うことが必要である点に関しては、プロの講師から学ぶことができるため、自己流の勉強よりも効率的に学ぶことができます。
職業訓練校で学んだ成果をアピールするために、ポートフォリオを作成することをおすすめします。ポートフォリオは、自分が制作したホームページやデザインなどの作品集です。自分の訓練期間で得たスキルの集大成を作ることで自信がつきますし、就職面接の際に自分のスキルや経験をアピールするために使用することができます。
職業訓練校の選定のポイント
職業訓練校にはそれぞれの職種に応じたコースがあります。将来的な職種や会社にマッチした内容で選びたいものです。しかし、せっかく職業訓練校を選ぶのであれば、誰しも後悔はしたくないものです。そのためには、次の5項目は最低チェックしておきましょう。
職業訓練の選定:5つのポイント
- 訓練内容:自分が学びたいスキルや知識が、研修内容としてカバーされているかどうかを確認することが重要です。
- 実績:職業訓練校の実績や評判を調べることで、その校がどの程度の成果を出しているかを知ることができます。
- 資格取得支援:職業訓練校では、資格取得支援を行っている場合があります。自分が取得したい資格に対応しているかどうかを確認しましょう。
- 施設・設備:実技を行う場合には、施設・設備が整っているかどうかも重要なポイントです。実際に見学に行って確認することができます。
- 受講料:職業訓練校の受講料は、一定の基準に従って設定されていますが、校によって異なる場合があります。受講料が高いからといって必ずしも良い校であるとは限りません。
職業訓練校が自分に合っているか見極めるポイント
- 職業訓練校の目的の1つに、就職につながる資格取得や技術習得があります。そのため、就職に強い校を選ぶことが大切です。就職率や卒業生の就職先などを確認してから選びましょう。
- 職業訓練校での教育は、教員の資格や経験によって大きく左右されます。教員が実務経験豊富であったり、関連する資格を持っていたりする場合、実践的な技能や知識を身につけることができます。事前の説明会や見学などで聞いてみることも大切です。
- 職業訓練校での教育には、設備や施設が大きく関わってきます。例えば、Webデザインやプログラミングを学ぶ場合は、最新のコンピューターやソフトウェアが整備された環境で学ぶことが必要です。施設や設備の充実度を確認してから選びましょう。
職業訓練校の選定試験内容
筆記試験とは
主に国語と数学から出題されます。数学の問題では中学校卒業程度とされていますが、私自身の受けた内容では、実際は高校生レベルの問題も出題されています。SPIと似た出題形式も見受けられました。
試験時間は国語と数学合わせて60分が目安です。試験時間に対して問題数が多く感じられます。国語と数学がある場合は、まず国語から終わらせることをお勧めします。全体に目を通して、解く順番を考えて、出来る問題から進める方が得策です。
適性検査の場合も含めて、事前に問題集などを数多くこなして出題傾向に慣れておくことをお勧めします。筆記試験対策については、下記の記事を参照ください。
筆記試験の後に面接が行われるところが多いようです。私が受けた試験会場では、筆記試験会場に次の面接での聞かれる「質問事項」がすでに貼りだされていました。面接対策を検討される方は下記の記事を参考にしてみてください。
職業訓練校の費用について
職業訓練校には、公的な職業訓練校と民間の職業訓練校があります。公的な職業訓練校は、国や地方自治体から補助金が出ているため、比較的安価な費用で受講することができます。ただし、受講するには条件があり、受講生の状況によっては一部負担が必要な場合もあります。
民間の職業訓練校は、公的な職業訓練校に比べて費用が高めですが、自由なカリキュラムや実践的な講義が魅力的な場合もあります。また、民間の職業訓練校には、各種の助成金制度がある場合もあります。最寄りの「ハローワーク」やハローワークがあっせんする職業訓練(ハロートレーニング)「ハローワークインターネットサービス」で検索確認しましょう。
職業訓練校のコースの選び方
自分の目的に合わせた職業訓練校の選び方
職業訓練校には、様々なコースがあります。自分がなりたい職業に近いコースを選ぶと、学ぶことが楽しくなります。自分がなりたい職業をイメージして、その職業に必要なスキルを学ぶコースを選びましょう。
まずは自分がどのような職業やスキルを身に付けたいのか、明確にすることが必要です。例えば、Webデザイナーになりたいのであれば、Webデザインコースがある職業訓練校を探すことが必要です。
また、職業訓練校によっては、就職支援やインターンシップのプログラムがあるところもあります。自分が目指す職業に必要なスキルを身に付けた後に、実践的な経験を積むことができるので、就職につながる可能性が高くなります。
さらに、実際に職業訓練校の体験授業や説明会に参加することで、講師の方のレッスン内容やカリキュラム、施設の設備や環境を確認することができます。自分に合った職業訓練校を選ぶためには、実際に現地を訪れたり、事前の説明会に参加したりすることが大切です。
職業訓練校のコース内容・カリキュラム
コース内容やカリキュラムは、職業訓練校のホームページやパンフレットで確認することができます。授業の内容が自分に合っているか、学ぶ内容が自分に必要なものか、しっかり確認しましょう。
コース内容やカリキュラムの内容確認は、職業訓練校選びの中でも重要なポイントです。訓練期間は、コース内容により様々ですが3~6ヶ月コースが多いようです。私が通ったPCスキルとWebのコースは8ヶ月と珍しく長い訓練期間でした。
まずは、自分が学びたい分野に特化したコースを探しましょう。その際には、カリキュラムの詳細をチェックすることが大切です。
例えば、Webデザインのコースであれば、HTMLやCSS、JavaScriptといった基礎から応用までを学べるカリキュラムがあるか確認しましょう。また、実践的な演習やポートフォリオ作成の機会があるかどうかも重要です。
さらに、職業訓練校の公式サイトや資料だけでなく、実際に授業風景を見学したり、在校生に話を聞くこともオススメです。そうすることで、自分に合ったコース内容やカリキュラムかどうかを確認できます。
コース内容やカリキュラムは自分が職業訓練校に入る上で、非常に重要な要素です。自分が学びたい分野に特化したコースを探し、詳細なカリキュラムを確認しましょう。そして、公式サイトや資料だけでなく、実際に見学することで、自分に合った学びができるかどうかを判断することが大切です。
講師の質やレッスン内容の確認方法
講師の質やレッスン内容は、実際に授業を受けてみないと分からないことが多いです。しかし、学校の公式サイトやSNSで講師の紹介をしている場合があります。また、体験入学など実施している場合があります。講師の方とコミュニケーションをとってみて、教え方や指導力を確認しましょう。まずは、自分が学びたい分野に特化したコースを探しましょう。その際には、カリキュラムの詳細をチェックすることが大切です。
講師の経歴・資格の確認
講師の経歴・資格を確認することで、その講師がどのようなスキルを持ち、どのような経験を積んでいるかが分かります。例えば、実務経験豊富な講師であれば、現場で必要なスキルや知識を実践的に教えてくれることが期待できます。
職業訓練校では、業界で活躍している講師が指導している場合もあります。私の場合も訓練校の講師の方は元Yahooでインターネット関連の仕事をしていたり、富士通でプログラミングを経験し、会社を立ち上げて経営をされている幹部の方が講師をされていました。講師の方は実務経験が豊富であり、仕事の現場で求められるスキルやノウハウを持っているため、貴重な学びを得ることができました。
カリキュラムの内容の確認
カリキュラムには、どのような内容が含まれているのか、講師によってどのように教えられているのかを確認しましょう。また、カリキュラムにある実習や演習の時間が多い場合は、より実践的な知識やスキルを学ぶことができる可能性が高くなります。
講義の雰囲気や生徒の評判の確認
講義の雰囲気や、その講師が教えているクラスの生徒の評判を確認することも大切です。実際に授業を体験することができる場合は、その講師の授業を受けてみると良いでしょう。また、口コミサイトやSNSなどで、その講師に関する情報を収集することも有効です。事前に見学をさせれもらえるところも多いので、できるだけ見学すると学校の雰囲気も分かるのでおすすめします。
講師の質やレッスン内容の確認は、職業訓練校を選ぶ際に重要なポイントです。自分が学びたい分野やスキルに合わせて、講師の経歴やカリキュラム内容をしっかりと確認し、自分に合った職業訓練校を選びましょう。
職業訓練を受講するにあたりよくある質問
- 職業訓練を受講している間、所定給付日数の残がなくなった場合、訓練を続けられますか?
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「訓練延長給付」という制度があり、所定給付日数が足りなくなっても訓練修了まで手当を支給されます。
- 職業訓練を受講の失業認定日の手続きはどのようにするのですか?
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職業訓練を受講中は、訓練校から受講証明書(公共職業訓練等受講証明書)を毎月提出してもらいます。
求職者支援訓練の場合、認定日は免除になりません。多くのハローワークでは認定日と「指定来所日(就職支援日)」が月に1度あります。その日の訓練校は午後休みになり、その日にハローワークに行かなければなりません。指定来所日に同時に認定を行います。訓練が休みの時に失業認定も同時に出来るにで便利です。 - 職業訓練を受講中の手当の振込はいつ頃になりますか?
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職業訓練受講中は失業認定日にハローワークに行く必要はありません。毎月中旬ごろに届け出の口座へ手当が振り込まれます。但し、祝日などの関係で振込が多少遅れる場合があります。例えば、月度初旬に祝日が重なる、5月や1月などは20日ごろになる場合があります。
- 職業訓練を受講中にアルバイトや家業の手伝い等をしてもいいですか?
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「雇用保険に入らない条件で働く」ことはできます。但し、働いた日数分支給日が後ろにずれることになります。また、訓練修了と同時に所定給付日数がなくなる方は受け取れなくなる場合があります。毎月の受講証明書の記入欄があり、それが届出書となっています。訓練受講中に働いた日がある場合は収入の有無にかかわらず、必ず届け出が必要です。一日でも働いた(アルバイト、手伝い、内職)分の届け出をしなかった場合、失業保険の不正受給の対象となり、罰金、退校、告発等の処分対象になります。また、訓練受講日に4時間以上働いた場合、訓練を受講しても手当等の支給はありません。
まとめ:失敗しない職業訓練校の選び方ガイド
職業訓練校選びで大切なことは、自分のやりたい仕事や就職する職種に合ったスキルアップや資格取得が出来る事です。そのためには、ハローワークに申し込む前に希望職種に合ったコースを自分で調べる必要があります。
また、後悔しないためにも職業訓練校の説明会に参加したり、実際に見学して職業訓練校の雰囲気や講師の方と直接話をして詳しく聞いてみることです。
職業訓練校に通うことが決まったら、数か月はそこでスキルアップを目指す訳です。自分の望む職種や仕事ができるように職業訓練校の選定には後悔がないようにしましょう。