転職活動をやってみてわかったのですが、今までの自分のキャリアが生かせるか否かによってずいぶんと求人情報の取り方が左右されてきます。特に未経験の職種で転職先を探そうとなると、不安なことばかりが頭に浮かび、なかなか進まないことがありました。
そこで希望職種や転職先を具体的にしたい方は、「キャリアプランシート」を活用することをお勧めします。転職活動でキャリアプランを立てる上で欠かせないものです。
「キャリアプランシート」とは、個人のキャリアアップや、円滑な就職などを促進することを目的として、厚生労働省が推奨するジョブ・カード制度のツールの一つです。
この「キャリアプランシート」とは、自己分析や目標設定、現状分析、アクションプランの策定など、キャリアプランの全てをまとめたもので、転職活動には非常に役立ちます。
・求職や転職活動をされている方で、今までの職種や活動を整理して自身の強みを確認したい方
・将来のキャリアの方向性を定めたいと思っている方
・「キャリアプランシートの書き方」を知りたい方
「キャリアプランシート」を作成することで、自分自身の強みや弱みを把握し、将来のキャリアに向けた具体的な目標を設定することができます。また、キャリアプランの目標に向かって努力していても思うように進まず、途中で挫折しそうになっても対処方法を発見しやすいメリットもあります。
例えば、就職先の選択肢を増やすためにキャリアプランシートを作成した場合、自己分析を通じて自分の強みやアピールポイントを明確にすることが出来ます。そのことで目標とする職種や企業を見つけやすくなります。また、具体的な行動プランを策定することで、転職活動や面接対策に役立てることができます。
今回は職業訓練校のカリキュラムで学んだ、キャリアプランシートを作成する手順や注意点、具体例について解説していきます。キャリアプランを立てることで、将来の自分の姿をより明確に描くことができ、自信を持ってキャリアを進めることができます。
キャリアプランシートとはどんなもの?
キャリアプランシートの記入形式は、「就業経験がある方用」と「就業経験がない方、学卒者等用」で書き方が違います。内容は下記のようにフォーマットがわかれています。
- 様式1-1キャリアプランシート(就業経験がある方用)
- 様式1-2キャリアプランシート(就業経験がない方、学卒者等用)
- 様式2職務経歴シート
- 様式3-1職業能力証明(免許・資格)シート
- 様式3-2職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート
- キャリア・プラン作成補助シート(学生用)
- キャリア・プラン作成補助シート(在職者用)
- キャリア・プラン作成補助シート(求職者用)
このように、就業経験の有無や免許・資格など細かく記載することで自身の能力証明や経験に基づいて分析していきます。具体的な記入例は「マイジョブ・カード」が分かりやすく参考になります。
就職先の選択肢を増やすためのキャリアプランシート
キャリアプランシートを活用することで自身が希望する職種や業界に必要なスキルや知識を洗い出し、それらを習得するために何が必要なのかを明確にしていきます。また、業界のトレンドや今後の見通しを調べ、自分が将来的にどのような役割を果たしたいかを明確にすることも大切です。未経験の職種にチャレンジされる場合は下記の記事をご覧ください。
自分が希望する転職先や業界を明確にし、その転職先や業界で必要なスキルや知識を洗い出し、それらを習得するためのアクションプランを策定します。また、自分が転職したい理由や転職後にどのような成長を望んでいるかを明確にし、その目標に向けて具体的なアクションを行うことが大切です。
スキルアップを実現するためのキャリアプランシート
キャリアプランシートは、自分自身のキャリアに向けて具体的なアクションを計画するための有用なツールです。自分がどのような方向性でキャリアを進めたいのか、具体的な目標やアクションプランを立てるとで、自己実現やキャリアアップを実現することができます。
例えば、英語に興味があり語学を習得するためには、どの程度のレベルを目指すのか、どのような学習方法を取り入れるのかを明確にすることが大切です。また、そのスキルや知識を活かせる仕事を考え、具体的なアクションを行うことが重要です。
また、キャリアプランシートは単なる目標設定だけでなく、現状分析や自己分析を行い、自分自身を客観的に見つめ直すことができる重要なツールでもあります。さらに、具体的な目標を設定することで、目標達成のために必要なスキルや知識、経験を明確にすることができ、スキルアップや経験の積み重ねを促進することもできます。
キャリアプランシートの使い方
キャリアプランシートとは、自己分析やキャリア設計に役立つツールで、自分自身の能力や価値観、興味、目標などを整理して、自己理解を深め、キャリアの方向性を決めるために使用されます。
自己分析は、自分自身の強みや弱み、興味、価値観などを理解することで、自分に合ったキャリアを選ぶための基礎となります。キャリアプランシートを作成することで、自己分析を深めることができます。
具体的には下図のようなものがあります。
また、キャリアプランシートは将来のキャリアの方向性を決めるための参考にもなります。自己理解が深まり、目標を設定し、アクションプランを策定することができます。
キャリアプランシートの書き方とは
キャリアプランシートは、自己分析やキャリア設計に役立つツールの一つです。自身の能力や価値観、興味、目標などを整理して、自己理解を深め、キャリアの方向性を決めるために使用されます。
キャリアプランシートのメリット
キャリアプランシートを作成することによって、以下のメリットがあります。
- 自分自身の強みや弱みを理解することができる。
- 自己理解が深まり、自分に合ったキャリアを選ぶことができる。
- 将来のキャリアの方向性を決めるための参考になる。
- 目標を設定し、具体的な行動プランを策定することができる。
以上のキャリアプランシートは、自己理解を深めることができるツールであると言えます。
キャリアプランシートの作成手順
ここからは具体的なキャリアプランシートの作成手順を紹介します。
キャリアプランシートを作成する上で、次の5つのステップに沿って作成するとわかりやすくまとめることができます。
ステップ1:自己分析をする
ステップ2:目標を設定する
ステップ3:現状分析をする
ステップ4:アクションプランを策定する
ステップ5:プランの実行と評価
キャリアプランシートの作成には時間がかかる場合がありますが、このプロセスを通して、自分自身と向き合い、自己理解を深めることができます。また、具体的な目標を定めることで、自信を持って行動に移すことができます。
キャリアプランシートは、自己理解を深め、具体的なアクションプランを立てるための重要なツールです。この章で紹介する手順に沿って、あなた自身のキャリアプランシートを作成しましょう。
キャリアプランシートを作成するための手順は、大きく5つに分かれます。それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ1:自己分析をする
まずは自分自身を客観的に見つめ直す自己分析が必要です。自分の強みや弱み、性格、価値観、興味関心などを分析し、自分自身を深く理解することが大切です。
ステップ2:目標を設定する
自己分析の結果を踏まえ、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかを明確にしましょう。取り組みたい仕事や目標を設定することで、自分のやりたいことや目指す方向性が明確になります。
ステップ3:現状分析をする
自分が現在どんな能力や経験があるのかを分析します。自分のスキルや経験、職場環境や業界動向などを分析し、現状を正確に把握することが大切です。
ステップ4:具体的な行動プランを策定する
目標を達成するために必要な行動を具体的にプランニングします。自分自身の強みを活かせる職種や業界、必要なスキルアップの方法やキャリアアップの方法を考えましょう。
ステップ5:プランの実行と評価
策定した具体的な行動プランを実行していきます。その過程で、プランの改善点や修正点を見つけ、評価していくことが大切です。また、定期的な振り返りを行い、目標に向かって進むことができるようにしましょう。
一例を挙げれば、自分が将来的にはWebデザイナーになりたいと考えた場合
①自分がどのようなスキルや経験をもっているのか。
②どのような価値観や目標を持っているか。
③Webデザイナーに必要なスキルや知識などを調べ、具体的な目標を設定します。
④自分が今の段階でどの程度Webデザイナーとしてのスキルや知識を持っているかを評価てみる。
⑤不足しているスキルをどのように習得するのか。
Webデザイナーとして必要なスキルや知識を身につけるための勉強法を具体的に計画し、実行するためのスケジュールを立てます。プランの実行と評価では、計画通りにスキルや知識を身につけ、必要に応じて修正を行います。
キャリアプランシートを作成することで、自分自身を客観的に把握し、将来的な目標を明確にすることができます。また、自分がどのような行動を取れば目標に向かって進むことができるかを具体的に考えることができます。
キャリアプランシート作成での注意点
- リアルな目標を設定することが重要です。無理な目標を設定すると、挫折してしまい計画が台無しになってしまいます。
- 自己分析で得た情報を正しく理解することが必要です。自分の強みや弱み、興味や価値観などを把握し、将来のキャリアに生かしていくためには、正確に自己分析を行うことが大切です。
- 現状分析で得た情報をもとに、将来のキャリアに必要なスキルや知識を把握し、それらを身につけるための方法を考えることが重要です。
- プランの評価を定期的に行い、必要に応じて修正することが必要です。キャリアプランは一度作成すれば終わりではありません。定期的に振り返りを行い、進捗状況や課題を確認し、必要に応じて修正することが重要です。
- 目標やプランを具体的に記述することが重要です。漠然とした目標やプランでは、具体的な行動が起こしにくくなってしまいます。具体的に記述し、行動しやすいプランを作成することが大切です。
上記ポイントで、キャリアプランシートを作成する上での注意点が理解でき、自分自身のキャリアプランに反映することができます。
目標設定では「具体的な目標を設定すること」が大切です。私の場合は、自分が興味のある業界で働きたいという目標を立てた際、その業界が求めるスキルや条件を把握せず、思いつきだけで目標を立てた結果、実現不可能な目標となり挫折してしまいました。私と同じような失敗を防ぐために、目標を設定する前に現状分析をしっかり行い、自分自身がどのようなスキルや条件を満たす必要があるかを考えることが大切です。
キャリアプランシートを活用するためのヒント
キャリアプランシートを活用することで、自分自身のキャリアに向けて具体的なアクションを計画することができます。ここでは、キャリアプランシートを活用するためのヒントを紹介します。
キャリアプランシートを定期的に見直す方法
- 定期的な見直しを行い、現在のキャリアと計画がマッチしているか確認する。
- 目標やアクションプランが達成された場合は、新しい目標を設定する。
- 自分自身の成長や環境の変化に合わせて、計画を調整する。
キャリアプランシートを使った活用法
- キャリアコンサルタントにキャリアプランシートを見せ、アドバイスを受ける。
- キャリアプランシートに書かれた強みや課題を分析し、具体的なアドバイスをもらう。
ハローワークの個別就職相談などでキャリアコンサルティングを活用してみてください。また、職業訓練校などでもジョブカード(キャリアプランシート)の作成方法や履歴書の書き方、就職面接対策などのカリキュラムがあり利用価値があります。キャリアプランシートで目標達成を目指す方法につては下記の記事をご覧ください。
まとめ:自己分析を活用して効果的なキャリアプランシートを作成する方法
キャリアプランシートとは、自己分析や現状分析を通じて自分のキャリアを考え、具体的な目標を設定し、それを達成するためのアクションプランを立てるツールです。
キャリアプランシートのメリットは、自分自身のキャリアに対する明確なビジョンを持ち、具体的な行動計画を立てることができることです。また、キャリアプランシートを作成することで、自己分析や現状分析を通じて自分自身を深く知ることができます。
キャリアプランシートの作成手順は、ステップ1で自己分析をし、ステップ2で目標を設定し、ステップ3で現状分析を行い、ステップ4でアクションプランを策定し、ステップ5でプランの実行と評価を行います。
キャリアプランシートの作成においては、具体的な目標を設定することが重要です。また、適切な期間を設定し、失敗や挫折への対処法も考慮する必要があります。
具体例としては、就職先の選択肢を増やすために、自分のスキルや強みを整理し、求人情報を分析して、自分がどのような企業に合うかを明確にすることが重要です。転職を成功させるためには、自分が今後のキャリアで何を目指すかを明確にし、そのためのスキルアップ計画を立てることが必要です。スキルアップを実現するためには、自分が今後身につけたいスキルや知識を洗い出し、それに必要な教育や研修などをリストアップし、計画的に取り組むことが重要です。
キャリアプランシートを活用する方法としては、定期的に見直すことが大切です。また、キャリアプランシートを使った自己PRやキャリアコンサルティングを行うことで、自分自身のキャリアに対する理解を深め、自分の可能性を広げることができます。キャリアプランシートを活用して、自分自身のキャリアについて考え、具体的なアクションプランを立ててみましょう。