求職活動には基礎的な知識があった方が何かと重宝します。ただ闇雲に就職さえできれば良いと考える方は少ないと思います。できれば自分のやりがいのある仕事に就きたいと思うのが心情です。そのためには、自分自身を客観的に見つめ、得意なことや興味がある分野など将来の目標にむけてスキルを習得してみてはどうでしょう。
ハローワークでは求職者支援訓練という公的な求職者を支援する制度があることをご存じでしょうか。現在求職中の方や転職を考えている方々には、必要なスキルや知識を身につける機会を無料または格安で提供している公的制度です。
求職者支援訓練を利用することで、新しいスキルや知識を習得でき転職先での面接や求人へのアピールポイントを得ることが出来ます。さらに訓練校でのアドバイスや新しい情報を取得できる機会も得られます。
- 求職者の方で雇用保険がもらえない、少ないが職業訓練校の受講を検討されている方
- 求職支援訓練制度について詳しく知りたい方
この記事では私のハローワークを利用した経験から、具体的な求職者支援訓練の特徴やメリットについて詳しく紹介していきます。あなたの就職活動を成功させるためのヒントが詰まっていますので、ぜひ読み進めてください。
求職者支援訓練を利用するメリットとは
求職者支援訓練とは、雇用保険を受給できない求職者を対象に、民間教育訓練機関が厚生労働大臣の認定を受け、就職に必要な技能及び知識を習得するための職業訓練を実施するものです。訓練期間は2ヶ月から6ヶ月で、再就職に必要な職業スキルや知識を習得することができます。
2023年4月1日以降求職者支援制度が新しくなっています。
主な変更点は
引用元:厚生労働省 求職者支援制度が変わります
- 世帯収入が付き30万円以下⇒訓練実施日全てに出席する必要がありますが、育児・介護を行う者や、求職者支援の基礎コースを受講する者については、欠席理由を証明できない場合であっても訓練実施日の2割まで欠席を認めます。
- 職業訓練受講手当(月10万円)の支給対象とならない者についても、収入が一定額以下で他の支給要件を満たす方は、通所手当を支給
再就職率の向上
求職者支援訓練では、求職者の再就職率向上が期待されます。訓練を受けることで、最新の業界動向や技術を学ぶことで、市場での競争力が高まります。また、キャリアコンサルティングを通じて、自分自身の強みを見つけ、自己PRを効果的に行うことができます。これによって、求職活動がスムーズに進み、再就職のチャンスが広がります。
スキルアップ・キャリアアップの可能性が拡大
求職者支援訓練を受けることで、スキルアップやキャリアアップの可能性が広がります。例えば、ITやデジタルマーケティングなど、需要の高いスキルを身につけることで、より多くの求人にアピールできます。また、訓練機関が提供するキャリア支援や進路相談によって、自身のキャリアの方向性を明確化し、目指す職業や職位に近づくことができます。これによって、より充実したキャリアを築くことができます。
求職者支援訓練の受講条件とは
求職者支援訓練を受けるためには以下の要件を満たしている必要があります。
❶ハローワークで求職の申し込みを行っている。
⇒現在求職中でもハローワークで仕事を紹介してもらうために必要な手続きです。
❷雇用保険の被保険者、または受給者ではないこと。
⇒自営業を廃業した人、学校卒業後就職が決まらなかった人
❸短時間のパート・アルバイトで雇用保険に加入していなかった人
❹雇用保険に加入していたけれども受給資格が得られないまま退職した人
❺雇用保険は受給したものの決まった給付日数の支給をすべてもらい切っても就職が決まらなかった人
❻労働の意志と能力がある人
⇒求職中の場合は就職したい気持ちがあり、ケガや病気で治療で現在働けない状態ではないこと
❼ハローワークの所長が認めたこと
訓練期間中に給付金を支給される要件とは
求職者支援訓練をうける対象者でそれとは別に給付金の支給要件を満たしていなければ受講給付金(職業訓練受講給付金)は受けられません。以下が受講給付金の要件です。
訓練実施日全てに出席する必要があります。但し、育児・介護及び求職者訓練の基礎コースを受講されている方は欠席理由を証明できない場合であっても訓練実施日の2割まで欠席を認められます。以上の要件を満たしていると「職業訓練受講給付金(月額10万円)」「通所手当」が支給されます。
引用元:厚生労働省 求職者支援制度のご案内
「通所手当」とは、職業訓練実施施設までの交通費。但し訓練校の定める内容と上限金額が定められています。
求職者支援訓練と公共職業訓練の違い
求職者支援訓練とは雇用保険の適用がなかった離職者の方やフリーランス・自営業を廃業したり、所定給付日数の手当をもらい切って受給資格切れになってしまった人が、指定された訓練を受けることです。但し、
求職者支援制度とは本人の収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の禁輸資産が300万円以下などの要件を満たす必要があります。
引用元:厚生労働省 求職者支援制度のご案内
令和3年度は、全国で3万人以上の方が受講しています。
公共職業訓練とは失業保険を受給している方になります。そのため同じ職業訓練校でそれぞれの制度を利用されている方が訓練を受講する場合もあります。。
求職者支援訓練の内容
求職者支援訓練には民間の専門学校で開講されている講座から、基礎コースと実践コースの2種類に分かれています。
- 基礎コースでは企業のオフィス事務に必要な簿記・会計、パソコンの基礎的なスキル(文書作成や表計算ソフトの使い方など)が中心となっています。
- 実践コースは、IT系・医療事務・介護ヘルパー・保育などより就職しやすい科目が設定されています。
求職者支援制度のおもな訓練コース
基礎 | ビジネスパソコン科、オフィスワーク科など |
IT | Webアプリ開発科、Android/JAVAプログラマ育成科など |
営業・販売・事務 | OA経理事務科、営業販売科など |
医療事務 | 医療・介護事務科・調剤事務科など |
介護福祉 | 介護職員初任者研修科、介護職員実務者研修科など |
デザイン | 広告・DTPクリエーター科、Webデザイナー科など |
その他 | 3次元CAD活用科、ネイリスト育成科など |
求職支援制度では「デイトラ」が受講できる
WebデザインやWeb制作に興味がある方であれば一度は耳にしたことのあるオンラインスクールの「デイトラ」が厚生労働省の求職支援訓練2022年7月・11月開講コースの実施機関として認定されています。今後の開講も期待したいところです。
但し、受講できるコースはWeb制作、Webデザイン、Webアプリ開発と限定されています。しかし、求職支援制度で受講できるので非常に魅力的です。
求職支援制度は募集期間が決められているため、いつでも誰でも受講できません。また、求職支援制度の受講者条件や期間が限ら得ることおよび受講内容が限定される点がデメリットでになります。
しかし、「デイトラ」は業界最安値で未経験からでも学習できるため通常のコースを購入しても充分コスパの良いオンラインスクールです。
募集期間に関係なくすぐにでも受講したい方、マイペースで学習を進めていきたい方は通常のコースを購入されることをお勧めします。オンラインで完結できるオンラインスクールのため、産休や子育て中の方が在宅で学習できるメリットがあります。また、「デイトラコミュニティ」を利用すると独学にありがちな学習に行き詰まってしまったりしても他に頑張っている方の存在が励みになったりします。
\デイトラ公式サイトはこちら/
求職支援訓練の申し込み方法とは
住んでいる管轄のハローワークに行くと職業訓練の募集チラシを入手すると詳しく内容が書かれています。また、
厚生労働省の「ハローワークインターネットサービス」で職業訓練検索を利用するとコース種別、エリア、想定する分野、募集期間、訓練期間など詳細に設定できるため、より希望に近い内容を入手することが出来ます。ハローワークの窓口で相談する前に事前に自身の希望に合った受講コースをいくつか選定していくことをお勧めします。
申し込み手順
・ハローワークの窓口で訓練受講相談をし、求職者支援訓練申し込みなど必要事項の説明を受ける。
・ハローワークの窓口で希望の訓練コースを相談し、具体的な募集期間や受講手続きに必要な書類など交付してもらう。
・受講申し込みの書類及び給付金事前審査書類などを提出する
(各管轄のハローワークにより手続きの流れが異なる場合があります。)
手続きが完了したら職業訓練受講のための選考試験の申し込みをする
求職者支援訓練の受給手続き
訓練開始後は毎月1回指定来所日にハローワークに行き受給手続きを行います。
指定来所日に上記所定の書類をもって管轄のハローワークに行って手続きをします。手続き上問題がなければ支給が決定します。指定来所日から1~2週間後に自身が手続きしている指定の口座に振込まれる流れです。
求職者支援訓練中にアルバイトはできるのか?
求職者支援制度では、原則として「1日4時間未満、1週間の所定労働時間が20時間未満の労働であれば可能です」。毎月の「職業訓練受講給付金支給申請書」に内容を申告する義務があります。(手伝いなどでも労働した場合、収入の有無に関係なく労働した時間を記載しなければなりません。)但し、前記述の「受講給付金の支給要件」の枠内で行う必要があります。
受講給付金を一切もらわず訓練だけを受けるのであれば上記の限りはありません。
求職者支援訓練のまとめ
求職者支援訓練は、再就職率の向上、就業後の安定性向上、スキルアップ・キャリアアップの可能性拡大など、多くのメリットをもたらします。
将来の働き方や産業の変化に伴い、求職者支援訓練の役割も変化しています。例えば、国際化やデジタル化の進展により、新たなスキルや知識が求められるようになりました。これからの求職者支援訓練では、より柔軟なスキルやグローバルな視野を身につけることが重要です。
また、働き方の多様化も進んでおり、柔軟な働き方や副業の需要が高まっています。求職者支援訓練は、これらの変化に対応するためのプログラムを提供し、求職者が自身のキャリアを形成するための支援を行っています。
私も職業訓練に参加することで、自己分析やスキル習得、実践的な職務経験の積み重ねを通じて、新しい知識や分野を開拓することが出来ました。求職活動をされている方は、安定した職場で自身のキャリアを築くために、求職者支援訓練などを積極的に活用することで新しい道が拓けることが期待できます。